平凡な日々に光を。

光あれ。例え鈍く、弱い輝きであったとしても。

【歌舞伎づく】風の谷のナウシカ前篇【ネタバレ注意】

最近、歌舞伎づいている。

「演劇界」の定期購読も始めたし、実は先日「衛星劇場」の視聴も開始した。

https://www.eigeki.com/

 

しかし歌舞伎の放送時間は大体平日の午後4時から6時まで。

平日仕事のある私には録画でもしない限り無理だし、そもそもその録画できる機能が夫によって占領されているため、タカラヅカ同様平日はほぼ視聴無理。

さらに本物を間近で見るのは現状不可能だ。

 

 

だったら、何で契約する・・・・???

 

しかし、ネット配信と言うありがたい方法で今回の視聴は叶った。

www.kabuki-bito.jp

 

 「歌舞伎」と銘打っているものの、演目は「風の谷のナウシカ」。

ナウシカと言えば、あの宮崎駿のアニメ映画が一般の方々にはお馴染であろうが、この演目ではアニメ映画の部分は最初の1時間ほどだけで、(青き衣の者、金色の平原に降りたち~だっけ?)あとは口上で尾上右近が述べるように、「全7巻」が文字通り歌舞伎化された、と思われる。

思われる、と書くのは、後篇を見てないから断言できないのだ。

脚色されているのかも不明。

困った時のwikipedia

ja.wikipedia.org

 

ja.wikipedia.org

 

さて、感想を。

ナウシカの映画でのサントラが笛だの笙だの胡弓だのシンバル?だの義太夫で再現される。

まず違和感を感じるがそれはじきに慣れる。

問題はナウシカを演じる菊之助、これは正直誰がやっても同じに見えるだろうし、考えようによっては相当の難役である。

アニメで親しんだものからすればイメージが固定化されているので(島本須美の声の功績が大きいのだろうと思われる)、それを歌舞伎化するに当たってどう挑むかとは相当考えたのか・・・・な??

 

ナウシカはもう少し若い役者に充ててもよかったような気もするが、何せタイトルロールであるし、小国とはいえ「王女」の位置づけであるし、やはり彼が適任だったのだろう。

 

ナウシカ七之助ではないように思う。

彼はトルメキアのクシャナ王女の役である。

 

視聴時間が限られるから無理だけど、このナウシカは何度か見ないとしっくりこないような気がする。

ナウシカのおっとりした口調の中にも激しい意思があるというのは演技では見せたとは感じたけど。

 

この演目は若手に老け役(と歌舞伎では言うのかな??)を当てているのが目を引く。

松也にユパ(私には髭が三国志関羽にしか見えなかったっていうか、帽子を被った関羽??)、巳之助にはミラルバを配しているが、両名ともいいお声。

巳之助にはあまり感じてなかったが、やはり親子だなあ。

だんだん三津五郎に似て来たような気がする。

三津五郎の演技はニコニコ動画でしか観たことありません。

 

尾上右近は口上とアスベルを演じたが、ユパとの2幕の、放水のある場面で殺陣(と歌舞伎では言うのかな?)は目を引いた。

水が出てくる場面でいつも思うのだが、あの水はどうやって舞台から引かせる(無くす)のでしょう。

よく仕組みが分かりません。

 

「何で歌舞伎にホントの女性が??」と最初思ったのが米吉演ずるケチャ。

ホントに女性にしか見えませんでした。

ケチャはマニ僧正の子(親族?)という設定のようだが、又五郎演ずるマニ族の僧正が亡くなった後もちょくちょく登場する。

原作でどんな扱いなのかは気になるところ。

 

クシャナの映画での書かれ方は記憶する限りでは単に、風の谷に降り立ち、ペジテのラステル(アスベルの双子の妹?姉?)王女が持ち去ったとされる「秘石」を探し出すトルメキアの王女という書かれ方であったが、彼女の人生には前篇最後、三幕目の題名にある「白き魔女、血の道を往く」というバックグラウンドがある。

残念ながら映画ではこの部分は書かれていない。

彼女は秘石をトルメキアに持ち帰るよう命令されているのだが、実はこれは彼女を殺害するための策略であったのだ。

本国から遣わされてきた亀蔵演じるクロトワがその役。

ナウシカに限らず宮崎アニメには脇に重厚かつ軽妙な役の者が何人か出てくるが、クロトワといい、ミト役の橘太郎といい、巧さに目を引く。

脇役は大事なんだけどね・・・・。

 

午前11時から観はじめて、終演が休憩含めて午後8時40分。

仕事するよりきっついわけですよ。

なので、後半の感想はまた後日。

配信期間の関係もあるから、早めに観ますけどね。