平凡な日々に光を。

光あれ。例え鈍く、弱い輝きであったとしても。

親の因果が子に報い

明日から3日間、イモ部長が他店に行く。

そして代わりに他店から部長が来る。

 

その部長は私より年が二つ下。

三人の子持だったが離婚し、今は何処に住んでいるやら。

先年、彼方も父上が亡くなり、子供は前妻が引き取ったとしていたら、母と二人暮らしなのかしら。

 

因縁深い相手である。

 

彼の父が私の祖父と兄弟なのだ。

しかし、子供である私の母は血の繋りはない。

母は祖母の前の夫との子である。

母は祖父には「坊(ぼう)」と呼ばれていた。

女なのに坊、でもないだろうに。

 

因みに私の妹も母には「坊」と呼ばれていた時期がある。

 

祖父が会社をやっていたとき、弟の彼の父上は専務だった。

私の父は婿養子だったが祖父とは合わなかったので冷遇されていたが、彼の父上は実の弟だ。

父は正直、面白くはなかっただろう。

 

 

それでも私が小さい頃は親戚付き合いもあった。

会社が繋いでいた仲。

 

彼の家は祖父の隣にあったが、母曰く、建築費は祖父にお金を出してもらったらしい。

そこに遊びに行ったこともあるし、親族の結婚式で一緒に撮った写真も実家にあるはず。

祖父の兄が私の実家に住んでいて(つまり、部長の父上の実家)、亡くなるまではよく遊びに来ていた。

うちの母は「チビおじちゃん」と呼んでいたから私もそう呼んだら「駄目だ。そんな呼び方をしたら」と母に叱られた記憶がある。

 

母は祖母の連れ子(正確には家付きの所に祖父がやって来た)なので、血縁関係から言うと母がこの部長と従兄弟にあたるが、血の繋りはない。

なので、一族の結束を高めるため母の結婚相手の候補に部長の父上が上がったこともあると母は言っていた。

これが実行されれば、今の私はいなかったけどね。

 

隔世遺伝だろう。

私は外見が実の母より母の妹、つまり、叔母に似ているとよく言われるが、叔母は顔のパーツは祖父そっくり。

私は祖父とは血の繋りはないので、私がパーツが似るのはありえない。

ハッキリとは言われたことはないが、多分私は祖母に外見は似ているはず。

 

あの部長とはもう20年以上は会っていない。

正確には、今年の3月、実家の墓参りに来たときにチラッと見たきりだ。

向こうは父上の墓参りに来ていたようだが。

 

あの一族とはかかわり合いにならないよう、実家方面には帰らないことを早くから決めていた。

とにかく、面倒臭い相手なのだ。

祖父が事業を潰したときに、向こうの方々が母や私の叔母にどんなことをしたか言ったか。

母の話を聞かされるのも面倒臭い。

このことは母には話さないことにする。

 

誠に因縁深い相手である。

今年、部長に就任したと聞いていたのでこの展開はありだと予想はしていたが、彼も可哀想に。

何も私のいる所に来なくてもいいだろうに。

支社も、中々乙なことをする。

支社がこの者共の因果関係など知るよしもないだろうに。

 

取り敢えず、器量を読まなくては。

外見はなんとでも誤魔化せるが本質は変わらないはず。

 

そして、たかが主任に部長がお声掛けなどするはずがないのであるから、鷹揚に構えている振りだけはしておく。

 

祖母、つまりあなたの叔母さん、あなたの親戚中が嫌っていた私の祖母に多分そっくりの私を見てどう思うか見物である。